突然の「クビ」言い渡し
Aさんは、約25年前に、事務機器の製造・販売等を行うB社に就職し、
トラックによる配送業務を中心に長年働いてきました。
ところが、Aさんは、足を痛め、痛めた足をひきずって歩いていたところ、
「格好が悪い」などと言われ、社長から「クビ」と言い渡されてしまいました。
Aさんは悩んだすえ、どうしても了解できないと考え、東大阪労連「はた
らく仲間の会」(個人加盟組合)に相談し、組合に加入しました。しかし、B
社は「AさんはB社から運送を請負っているだけで、社員(労働者)ではない」
と話し合いにも応じようとしません。
そこで、城塚弁護士と私が、Aさんの依頼を受け、B社に対して、裁判を
起こすことにしました。Aさんは職をなくし、生活に困っていましたので、B
社の社員であることを前提に、賃金を仮に支払うことを求める「仮処分」とい
う手続を、まず申し立てました。
「請負」ではなく「労働者」
B社は「Aさんは社員ではなく、請負業者」という主張を裁判でも繰り返
しました。
しかし、Aさんは朝はマイカーで事業所に出勤し、B社から配送先・配送
時刻・配送の順番・事務機器の納入場所の指示を受けて、配送業務をしていま
した。配送以外にも、B社に指示されて、事務機器の組み立て業務を行ったり、
事業所の片づけをすることもありました。
B社には、Aさんのタイムカードがありました。Aさんはタイムカードに
基づいて時間外労働時間を計算し、B社に「残業手当」を請求し、B社は、こ
れにしたがって、「残業手当」の支払をしてきました。
また、Aさんは、B社の社名の入ったネーム入り作業服を無償でB社から
支給され、それを着て業務を行っており、B社の「社員名簿」にも名前が載っ
ていました。
このようなAさんの働き方から、B社の「請負業者」とはとてもいえませ
んでした。
組合のサポートで全面解決
仮処分の裁判は、このようなAさんの働き方は、「労働者」としてのものであることを認めました。AさんはB社から給料の仮払いを受けられるように
なり、苦しかった生活も一息つくことができました。
Aさんは更に本裁判を起こし、法廷でAさんとB社側の証人が証言をした
上で、裁判所でB社と話し合いをし、給料の仮払いを受けた金額に加え、解決
金の支払いを受ける形で和解解決しました。不当に「クビ」になった自分の名誉を取り戻したいというAさんの思いに答える解決ができました。
Aさんの裁判には、労働組合「はたらく仲間の会」が全面的なサポートを
し、一人で裁判をすることになったAさんを応援してくれました。
「おかしい」と思ったらあきらめないで
会社を「クビ」になったとき、おかしいと思いながら、そのままあきらめ
てしまうことも多いでしょう。しかし、Aさんのケースのように、労働組合に
相談したり、裁判をすることによって解決ができる場合もあることを知ってい
ただきたいと思います。
参考リンク 「取扱事件の説明」→「解雇」も参照ください。 |