それでは話を元にもどして、まず成都からパンダ村臥龍へ行くことにしよう。
成都からバスで約100キロ走って、夕刻、臥龍のホテルに到着した。この間の道路は特に悪路で、トラックの往来が激しい上、交通ルールを無視して走るので怖ろしいくらい位で、命がけのバス旅行であった。
6月この時期、奥地から成都方面に対向して走ってくるトラックの積荷はダイコン、キャベツ、白菜が多く、これらの野菜が高く高く積み上げられて、ものすごい量をトラックが運んでくる。
臥龍に近くなると交通量も少なくなる。この辺では川のそば、山の斜面にはキャベツ畑が広がっており、現地の畑では直接トラックにキャベツを積みあげている風景も見られた。
宿泊した臥龍山荘は、山荘といっても四ツ星の立派な新築のホテルで、設備もアメリカ式というか日本式というか近代的であった。中国のホテルは毎年立派になっていく。
夜には高山植物のスライドを見ての説明会もあり、高山植物への期待で胸がふくらんでくる。
翌朝はまず、パンダの保護研究センターに立ち寄って、パンダの見学をした。パンダと並んで写真を撮ると一人200元(約2,600円)で少々高い。どうするのかと見ていると、おとなしそうなパンダを呼び寄せてリンゴを食べさせて機嫌をとりながら、長椅子にパンダと人を並ばせて、パァッと写真を撮って、すぐ交代というやり方である。
見ているとパンダは竹の皮をむいて中身を食べているが、聞くと竹の栄養効率は17パーセントしかなく、そのため一日中食事をしており、その余は寝ているといった生活を毎日送っているようである。
現在、人工授精で育てて、山に放つ試みをしているようだが、これ程の数のパンダを見ることができるのは、世界中でもここだけであろう。
この研究所を出て、いよいよ60キロ先の巴朗山峠を目指して走り出したが、臥龍の村はずれで、道端に日本のシキンカラマツとよく似たタリクトルム・デラバイ(キンポウゲ科カラマツソウ属)が咲いているのをガイドが見つけて車を止めてくれた。美しいピンクの小さな花を多数咲かせているのを撮影することができた。
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