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1.はじめに
 2003年7月、山好きの仲間と、モンテ・ローザ、マッターホルン、ベニの谷、フェレの谷、モンブランなどスイスアルプスを花を眺めながらのハイキングをした。スイスは物価が高く、ホテル代、食事代をイタリアと比較しても倍近くの差があるというので、ホテルも食事もすべてイタリア側ということで計画した。
 ミラノからバスでマジョーレ湖のストレーザにまずやって来た。ここを出発点としてマクニャーガの村に入り、モンテ・ローザを眺め、その山麓をハイキングするのが、この度の「ヨーロッパアルプスを歩く」の大きな目的の一つであった。

2.「武器よさらば」とマジョーレ湖
 イタリア側からモンテ・ローザをめざすのには、まずマジョーレ湖を出発点としなくてはならない。マジョーレ湖は南北65キロ、幅が最大4.5キロの細長い湖で、北上するとスイスとの国境になる。スイス領は42平方キロにすぎないが、ロカルノに達する。
 このマジョーレ湖は「日はまた昇る」につづいて発表されたヘミングウエイの「武器よさらば(1929.9月出版)」の舞台である。
 「武器よさらば」は第一次大戦におけるイタリア戦線を背景に、戦場での恋愛を描いた作品である。

 マジョーレ湖のストレーサの場面は、戦場から脱走したフレデリック・ヘンリーとキャサリンが、逮捕をまぬがれるためマジョーレ湖をボートで北上してスイスに逃げ込むクライマックスシーンである。ヘンリーとキャサリンが嵐のマジョーレ湖を北上する出発点はボッロメオ港湾へ行く船着き場のあるストレーサの町である。
 私達もストレーサの湖の湖岸にある「ブルストルホテル」に宿泊した。

 2003年7月12日(土)午前5時に起床してホテルからマジョーレ湖畔の散歩に出かけた。湖の東からぼんやりした赤い太陽が昇ってきた。水鳥が3羽、4羽飛んでいる。目の前にボッロメオ諸島が浮かんでいる。湖ではマスやカワマスがとれるようで、釣り船が沖に見える。
 午前8時にホテルを出発して、モンテ・ローザの麓の村マクニャーガに向かって出発した。


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