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HOME > 情報発信 > 孔市良通信 > シチリア紀行−セジェスタへ



1.セジェスタの植物
 パレルモに到着した翌日、パレルモやモンレアーレの観光はすぐにはしないで、シチリア北西部にまず向かうことになった。
 朝は6時30分に起床、短時間の睡眠であったが、さわやかな気分である。ホテルを9時に出発して、ティレニア海を右手に見ながら高速道路を北西に進む。パレルモの町を出ると、すぐ大きな岩山である、ペルグリーノ山が見えてくる。この山にはパレルモの守護聖女、聖ロザリアの聖母記念堂が建っていることで知られている。

 午前10時30分頃、セジェスタの神殿前に到着した。到着しても、イタリア人のガイドが来なくては、観光ができない。少し早く着きすぎたようだ。ガイドが来る間、広い高原を見渡しながら、近辺に咲いている花々を撮影することにした。


 特に目立つのは、龍舌蘭で、高さは7,8メートル、多肉性の厚い茎、淡黄色の花を一生に一度咲かせて倒れてしまう。ヒガンバナ科の花である。もともとは、メキシコ原産で、16世紀にスペイン人がメキシコから持ち帰り、シチリア、南イタリアに広げたと言われている。高温乾燥の風土にぴったりであったらしい。
 ウチワサボテンも多く、これもメキシコから持ち帰って増えたもので、この実はフィコ・ディンディア(インドのイチジク)といわれて食用になっている。足元にはミヤマウイキョウが風に揺れている。ウイキョウはセリ科で、食用としてはニンジン、セロリ、パセリ、三つ葉、セリなどたくさんある。ニンジンがセリ科というのは、ちょっと気づかない。赤いポピーが咲き、めずらしい黄色のあざみも咲いている。エニシダの黄色も色がさえてよい。

2.シチリアのギリシャ神殿
 このセジェスタの地は、青銅器時代、BC13世紀頃渡ってきたトロイアの落人、エリミ族の都市だったと伝えられている。バルバロ山の斜面に建っているのが、前5世紀(前430年)のドーリア式神殿で、保存状態も良く、ドーリア建築としては、最も有名な作例である。


  まわりには何もなく、この神殿だけが堂々と建っている姿は、純粋な孤高の美しさを感じさせる。この神殿の裏の谷が石切場であり、神殿のはるか前方の1キロ先のバルバロ山の頂上には、ヘレニズム時代の劇場が残っている。ここから一部が見られるが、時間がなくて、劇場までは行けなかった。
 ゲーテはイタリア紀行の中で、セジェスタのことを「この地は豊饒でありながら物侘しく、どこもよく開墾されているが、ほとんど人家というものを見ない」と感想を書いているが、私も全く同感で、広々とした明るい空間に、ドーリア式神殿のみ、見るべきものはこれ一つというのも、なかなかいい観光であると思った。ここからバスで5分位のレストランで昼食の後、1時50分、マルサーラ、モツィアに向け出発した。

セジェスタの遺跡にて



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