事務所案内 弁護士紹介 法律相談と費用のご案内 取扱事件の説明 情報発信 リンク集
HOME > 取扱事件の説明 > 交通事故

@@『交通事故事の被害にあったなら』@@
  「バーチャル」法律相談コーナー(「交通事故 被害者編」』)      

 某月某日の昼下がり、大阪市中央区の地下鉄谷町9丁目駅から徒歩0分にある大阪法律事務所へ、Qさん(仮名)という40代の男性が相談に来られました。以下はその日の法律相談担当をしていたA弁護士との、相談室でのやりとりです。

Q.1

■質問1 保険会社からの「治療費打ち切り通告」への対応
 よろしくお願いします。実は、4ヶ月前の日曜日、バイクで近くのコンビニへ買い物へ行く途中、店の手前にある交差点で右から来た自動車にぶつけられて足の膝を複雑骨折して入院しました。1ヶ月間入院して現在通院中です。病院代はこれまでは全て保険会社が払ってくれていたのですが、今週いっぱいで治療費の支払は打ち切らさせていただく、といわれました。もう治療はやめるしかないのでしょうか?

A.1  貴方の身体をよくすることが第一ですから、治療を続けるかどうかは、保険会社が勝手に決められるはずがないのは当然のことです。また、後日、損害賠償の示談の交渉をするときに、治療に要した期間をもとに慰謝料額が決まるため、不当に低額の賠償に応じなければならない危険性があります。
ですから、主治医の先生に相談して、先生がまだ治療が必要ですということでしたら、先生に今後も治療が必要であるとの診断書を書いてもらい、それをもとに、保険会社に治療費支払の継続を要求してください。
Q.2

■質問2 慰謝料の基準
 それでは私の場合、慰謝料はどれくらいもらえるのでしょうか?

A.2  大阪地方裁判所での慰謝料(入通院慰謝料)の基準を弁護士会の方で整理した表があります。これによると、あなたが今後2ヶ月治療を要した後に示談した場合、入院1ヶ月、通院5ヶ月で145万円となっています。仮に現時点で治療をやめて示談交渉に入った場合は、入院1ヶ月、通院3ヶ月で119万円となっています。ただし、通院期間だけではなく実際の通院日数も考慮しますし、実際に治療を要する状態であったことが前提です。
Q.3

■質問3 示談前の請求
 でも、示談までの治療費や生活費はどうしたらいいのですか? お金がないんです。

A.3  お答えの前提として、交通事故の相手方加入保険には、「任意保険」と、「自賠責保険」の2種類があります。現在貴方に連絡して来ているのは任意保険会社です。そして、自賠責保険に対しては、示談成立前でも、「被害者請求」をすることによって、内払い請求や仮渡し金請求が可能です。やり方は、そんなに難しくありませんから、自分でもできます。
Q.4

■質問4 健康保険の使用の可否と過失相殺
  保険会社の担当者から、私の健康保険を使って治療を受けるように頼まれたですが、交通事故の場合は健康保険は使えないと聞いたことがある気がして、断わったのですが、それでいいんですよね?

A.4  この点は、保険会社の担当者の言うとおり、貴方の健康保険を使用した方がよいと思います。
というのは、示談の際に、「過失相殺」といって被害者の方にも不注意があるとして減額されることがあります。例えば、交差点での事故では基本は3割です。治療費も3割は被害者が負担するので、健康保険を使用しないと貴方の負担額が高額になってしまいます。また、自賠責保険の傷害に対する保障額の限度が120万なので、治療費で使い切ってしまうと、生活費(休業補償金)の支払をうけることができなくなってしまうこともあります。
Q.5 ■質問5 後遺障害
 医師から、将来、膝の関節に後遺症が残ると言われたのですが、どうすればいいのでしょうか?
A.5  後遺障害についての損害賠償金の請求が可能です。手続としては、まず、後遺障害診断書を医師に書いてもらいます。その際は、検査結果を踏まえて、障害の状態を詳しく書いてもらうようお願いしてください。次に、それを付けて、自賠責保険へ後遺障害の被害者請求をします。
障害の程度に応じて、等級認定の通知がありますが、納得できない低い等級の場合は、異議申立を行うことができます。異議申立をすべきかどうかは、認定基準との関係で判断が難しいので、その時点でもう一度相談にきてください。
 なお、注意しなければならないのは、後遺障害の診断後は、治療費はあなたの自己負担です。主治医の判断を無視して、早く後遺障害手続をするのはこの点でも不利益です。
Q.6 ■質問6 示談の手続
 治療が終わって、示談する場合、何に気をつければいいのでしょうか?
A.6  保険会社から示談の提案があります。その額は、最初にお話しした裁判所=A弁護士会の基準より、慰謝料などが低い基準で計算されています。
ですから、示談提案があっても、すぐに同意して判を押さずに、一度A弁護士に相談することをお勧めします。
Q.7 ■質問7 時効問題
Qさん  後遺障害で、顔に傷が残っているんですけど、その場合は、どうなるんですか?
A弁護士 え?あなたは、足の怪我なのでしょう?顔にどこも傷は見えませんが?
Qさん  あのう・・・実は、私の弟が約3年前に事故を起こして、顔に大きな傷がのこったんですが、当時は傷は男の勲章だと偉そうに言っていて、何の請求もしなかったのですが、最近彼女が出来そうらしくて、気にしているんです。何とかなりますか?
A.7  それは大変ですね。ただこの場合、時効期間が問題です。
任意保険会社や相手方の加害者への請求は、原則、傷害に関する損害については事故日から3年、後遺障害については障害の固定日から3年です。特に、相手方が任意保険に加入しておらず、資力がない場合などは、自賠責保険への請求が重要ですが、そのばあいは事故日・障害固定日からいずれも2年です。残った傷の大きさなどを基に、男性と女性とは別の基準で等級と金額が決まります。
Q.8 ■質問8 警察への事故届
Qさん  警察への事故届をしていなくても、請求できますか?
A弁護士 え?あなたは、任意保険会社から、これまでは治療費支払いを受けていたわけで、警察への届出は当然されているはずですが。
Qさん  あのう・・・・実は、私の姉が2週間前、相手の運転手が点数がなくなりそうだから勘弁してと頼まれて、大したこともないからその場で3万円現金もらって喜んでいたんですけど、最近、首が痛いと言い出してまし
A.8  (少々あきれながら)どんな事故でも、必ず警察に事故届出をして、交通事故証明書の発行を受けられるようにしておいてください。というのは事故届け出をして事故証明書の発行を受けられるようにしておかないと、自賠責保険の請求手続ができませんし、任意保険会社も請求を断わられる可能性が高いです。後日、事故状況と被害を証明することが非常に困難です。
事故後一定期間経ってから症状がひどくなることも少なくありませんから、お姉さんには、今からでもすぐに事故届けをするように勧めてください。
Q.9

■質問9 加害者の立場と使用者責任
Qさん  今日はどうもありがとうございました。最後にひとつお聞きしてよろしいですか?
A弁護士 どうぞ。
Qさん  先生、葬儀代も出るんですよね?
A弁護士 え??
Qさん  あのう・・・・・実は、昨年、私の父親がトラックに跳ねられて死亡しまして。運転手もお詫びに来ないし、社長もクビにしたから関係ないといって何のお詫びにも来ないんです。運転手の家族もクビになって何のお金もないからすいませんと謝るばかりなので、腹が立ったのでそのままほったらかしていたんです。そうしましたら、昨日、運転手の家族と弁護人の弁護士さんが一緒に家に来て、嘆願書を書いてもらえないかというんです。どうしたらいいですか?

A.9  ええー?! なんでそんな大事な話を最初に相談しないんですか?
 (A弁護士、気を取り直して)死亡事故で何の被害弁償もしていないというのでは、運転手は刑事事件で実刑判決の可能性が大です。相手の家族も心配となり、刑事弁護人になったA弁護士からのアドバイスで嘆願書を頼んできたと思われます。
 運転手本人や家族に支払い能力がなくても、会社のトラックであれば、会社にも責任があります。長時間労働や過積載などで働かせていたことが、事故の原因の場合もあります。運転手の弁護人を通じて、もとの会社の状況を聞いて、今も営業しているならば会社に請求して、葬式代どころか、死亡慰謝料も含めて完全な損害賠償を受けることができる可能性があります。それが出来ることになれば、嘆願書を書いてあげたらどうですか。相手の家族も本人も喜んでくれると思いますよ。
 (きっぱりと)直ちに、家族全員で、事務所に相談に来てください。
■本稿は、2006年2月17日に開催された「生活相談に役立つ法律講座 交通事故編」の内容をアレンジしたものです。

 〒542-0012 大阪市中央区谷町九丁目3番7号 中央谷町ビル2階 (06)4302-5153(代)